企業型DCに加入している60歳会社員が、2022年iDeCo法改正後に取るべき行動4つ

money-graph

おはようございます!さにーです!

今日は「企業型DCに加入している60歳会社員が、2022年iDeCo法改正後に取るべき行動4つ」というタイトルでお送りします。

日本の企業の定年退職年齢は60歳です。

ここ数年で65歳に延長した企業や、再雇用で65歳、70歳まで働ける企業も増えてきましたが、まだまだ60歳定年退職の企業も多いです。

会社の年金制度は、定年退職年齢に合わせて設計されていますが、退職金規定の見直しは簡易なもの、もしくは退職金規定の見直しができていないのが現状です。

60歳になったら拠出もできなくなったし急に管理手数料を払わされた!!

なんてこともあります。

このブログを読んでいただき、60歳以降の手続きについてしっかり確認しておきましょう。

要確認!多くの企業型DCは60歳で加入者の権利を失う

60歳を過ぎると、企業型DCで運用した資金を受取るか引続き運用するかを選択します。

60歳時点での対応方法は企業の規約によって変わります。

①60歳で終了

②60歳で加入者期間は終了するが、運用指図者として運用は可能

③60歳を超えても加入者期間継続

大きくこの3つの選択肢があります。

60歳で終了

加入者としても運用指図者としても権利が無くなります。

一時金として受取るか、年金として毎年受取るか選択します。

60歳で加入者期間は終了するが、運用指図者として運用は可能

ここで言葉の確認です。

加入者:掛金を拠出して商品を購入することができる。

運用指図者:既に拠出した金額の運用をすることはできる。拠出した金額内での商品の入れ替えも可能。新たに商品を購入することはできない。

企業型DCは会社が従業員の為に毎月拠出してくれます。

その拠出されたお金で商品を購入し、運用するというものです。

60歳以降は会社の拠出がストップするので、新たに商品を購入することはできません。

ただし、今まで購入した運用中の商品に関しては引続き運用できますよ。という状況です。

もちろん60歳で受け取ることもできます。

ですが最近では60歳以降も再雇用で働く人が多く、給与も入る為まだ年金を受け取らなくていいかな。

という方が増えてきています。

そんな場合は、運用指図者として運用を継続するという選択になります。

ただしここで1点注意です。

管理手数料が発生する可能性があります!

加入者期間は会社が社員の代りに金融機関に手数料を払っています。

しかし加入者でなくなると会社は手数料を負担しなくてよくなり、その分個人が負担することとなります。

金融機関によって手数料体系は違いますが、年間4,000円程度の費用が発生します。

折角継続運用をしているのに、年間4,000円も手数料取られたら堪りませんね。

この点は会社によく確認しましょう。

60歳を超えても加入者期間継続

定年退職の年齢が60歳以上に拡大されていれば、加入者期間も合わせて拡大している場合があります。

60歳~70歳の間に受取ることとなりますが、多くの場合は退職時に受取るものです。


iDeCoの法改正とは

法改正の背景

2022年4月から年金法が改正され、2022年5月、10月と順次制度改正が行われます。

年金法改正の理由は、少子高齢化により年金制度ががもたなくなっているからです。

1990年時点では65歳の高齢者1人を20歳~64歳の現役世代5.1人で支えていました。

2030年時点では65歳の高齢者1人を20歳~64歳の現役世代1.7人で支える。

2060年時点では高齢者1人に対し現役世代1.2人で支える。

と予測されています。

高齢者一人を、現役世代が一人で支えることとなります。

これでは年金制度ももちません。

これが今回の年金法改正の背景です。

主な変更点

今回は特にiDeCoの変更点に注目します。

2022年からの主な変更点は以下の3つです。

  1. 2022年4月~ iDecoの受給開始年齢が75歳まで延長
  2. 2022年5月~ iDecoに加入できる年齢が65歳まで拡大
  3. 2022年10月~ 企業型DCの加入者もiDecoに加入できるようになる

この1と2の変更によって、企業型DC加入者の方の今後の対応方法が大きくかわることとなります。

以下から説明していきます。

変更点についての詳細ははこちらのブログをご確認ください。

hand-over-money【FPが教えます】あと少し!2022年からの法改正によるiDeCoの主な変更点3つ


取るべき行動4つ

1つめ 受取る

60際になれば企業型DCを受取る権利を得ます。

受取る方法としては、一時金として受取る、年金として受取る、一時金+年金として受取る3パターンです。

受取方法で注意する点は、受取り方によって税金が変わるということです。

①一時金として受取る場合

一時金として受取る場合、「退職所得」となります。

退職金には、①所得税、②復興特別所得税と③住民税が課税されます。

退職所得は、退職所得控除という所得控除が適用されます。

退職所得控除は、勤続年数によって控除額が変わりますが、かなり大きな控除額となります。

退職所得の税金計算

まずは支給された退職金のうち、課税対象となる金額(課税退職所得金額)がいくらになるか確認します。

課税退職所得金額=退職金の収入金額-退職所得控除額)×1/2

退職所得控除は勤続年数により違いますが、以下の通り計算されます。

〈退職所得控除額の計算〉

勤続年数
(1年未満切り上げ)
退職所得控除額
20年以下40万円×勤続年数
(80万円に満たない場合は80万円)
20年超(勤続年数-20年)×70万円+800万円


そしてこの課税退職所得金額に所定の税率を乗じ、控除額を差引いた金額が所得税額です。

【退職金の所得税額=課税退職所得金額×所得税率-控除額

〈所得税の計算〉

課税所得金額税率控除額
195万円以下 5% 0円 
195万円超 330万円以下 10% 97,500円 
330万円超 695万円以下 20% 427,500円 
695万円超 900万円以下 23% 636,000円 
900万円超 1,800万円以下 33% 1,536,000円 
1,800万円超 4,000万円以下 40% 2,796,000円 
4,000万円超 45% 4,796,000円 

さらに退職金の所得税額に対して復興特別所得税2.1%も課税されます。

【復興特別所得税額=退職金の所得税額×2.1%


さらに住民税が発生します。

住民税は課税退職所得金額に、10%を乗じて算出されます。

【住民税=課税退職所得金額×10%】


具体的な例を見ていきます。

【パターン1】勤続10年1カ月、退職金支給額900万円の場合

退職控除額:40万円×11年=440万円

課税退職所得額:(退職金の収入金額900万円-退職所得控除額440万円)×1/2=230万円

課税退職所得額が230万円の場合の税率は10%、控除額97,500円

所得税額:課税退職所得額230万円×税率10%-97,500円=132,500円

復興特別所得税額:基準所得税額132,500円×2.1%=2,782円

住民税:課税退職所得金額230万円×税率10%=23万円

所得税+復興特別所得税+住民税=365,282円


【パターン2】勤続年数25年、退職金支給額2,300万円の場合

退職控除額:800万円+70万円×(25年-20年)=1,150万円

課税退職所得額:(退職金の収入金額2,300万円-退職所得控除額1,150万円)×1/2=575万円

課税退職所得額が575万円の場合の税率は20%、控除額427,500円

所得税額:課税退職所得額575万円×税率20%-427,500円=722,500円

復興特別所得税額:基準所得税額722,500円×2.1%=15,172円

住民税:課税退職所得金額575万円×税率10%=575,000円

所得税+復興特別所得税+住民税=1,312,672円

退職金を一時金として一括で受取る場合、退職所得・分離課税として取り扱われます。

「退職所得」は上記の通り、税金の優遇措置が受けられます。

勤続年数に応じた退職所得控除が適用され、課税対象となるのは退職所得控除を差引いた残りの1/2です。

また、分離課税は他の所得と合算せずに単独で税金を計算することができます。

所得税は累進課税ですので、所得金額が大きくなる分税率が上がります。

退職金は単独で税金額を計算する為、税負担が軽くなるように配慮されています。

②年金として受取る場合

退職金を年金として受取る場合、雑所得・総合課税となります。

雑所得は収入金額から必要経費を差引いて計算しますが、公的年金等に係る雑所得については、収入金額から公的年金等控除額を差引いて計算します。

公的年金等控除額は、受給者の年齢や公的年金等の収入金額によって異なります。

公的年金等に係る雑所得以外の所得にかかる合計金額が1,000万円以下の場合、64歳までは最低60万円、65歳以上は最低110万円となります。

年間の受取額がこれらの金額以下であれば税金はかかりません。

税制優遇の面では、一時金に比べると課税が多くなる場合も出てきます。

退職金は上記の通り控除額が大きいかつ分離課税と、税負担が軽くなるように配慮されています。

一方公的年金等控除の場合は、老齢基礎年金や老齢厚生年金等と合算した上で控除・計算されるので課税対象額が大きくなってしまいます。


2つめ 運用指図者になる

2つめの選択肢は運用指図者になるです。

運用指図者とは

運用指図者:既に拠出した金額の運用をすることはできる。拠出した金額内での商品の入れ替えも可能。新たに商品を購入することはできない。

でした。

拠出ができないので、追加で商品購入はできません。

企業型DCを受取る権利はあるけど、今もらっても使い道がない。

受けとったお金を銀行口座に預けても金利が0.001%しか付かないなら、そのまま運用しておこう。

という方向けです。

運用指図者になる為には、会社の規約で運用指図者になることが定められている必要があります。

・加入者として商品購入ができるのは60歳まで。

・60歳以降○○歳までは、受取るか、運用指図者として運用することができる。

といった内容になります。

規約によっては無条件で受取らなければならない可能性もあります。

また、加入者期間中は企業型DCの手数料は会社が負担してくれますが、運用指図者になった途端自己負担になる可能性があるので注意です。

iDeCoと似たような手数料だと思いますが、金融機関や企業によって差があります。

年間で4,000円程度の手数料が発生すると考えておきましょう。


3つめ 「新!」iDeCoの加入者になる

60歳以降も拠出を継続されたい場合はiDeCoへの加入を検討しましょう。

今までiDeCoには加入できませんでしたが、2022年の年金制度変更で加入を検討することができます。

  1. 2022年4月~ iDecoの受給開始年齢が75歳まで延長
  2. 2022年5月~ iDecoに加入できる年齢が65歳まで拡大
  3. 2022年10月~ 企業型DCの加入者もiDecoに加入できるようになる


企業型DCからiDeCoに移管する場合のメリットとデメリットです。

メリット

・65歳まで加入者として商品購入が可能。

・加入者として拠出した金額は所得控除の対象となる。

・最長75歳まで非課税で長期運用が可能。

・一般的に、企業型DCよりもiDeCoの運用商品の方が良質な商品が多い。

デメリット

移管時

・移管する場合は企業型DCの商品を一旦現金化(売却)する。

・移管手続きに1カ月~2カ月ほど必要。

移管後

・iDeCoの手数料が発生する。

・移管資産で新たに商品を購入する場合、購入のタイミングによっては損失が出る可能性がある。

①移管せずに企業型DCとiDeCoを併用する

資産は企業型DCに残し運用したまま、拠出はiDeCoで行います。

今まで運用してきた資産はそのまま運用し、新たにiDeCoで商品を購入することが可能です。

〈メリット〉

資産を移換しないので、現金化する必要がない。

加入者期間は最大65歳まで、運用期間は最大75歳までの長期間運用することが可能。

〈デメリット〉

企業型DCに加入し続けますが、加入者から運用指図者となる際に管理費が個人負担となる場合があります。

iDeCoでも別途手数料が発生。金融機関によって違うが、大体年間3,000円程度。

企業型DCとiDeCoの複数口座を管理する必要がある。


②iDeCoに完全移行する

iDeCoに資産を移換し、拠出もiDeCoで行います。

〈メリット〉

一般的に、企業型DCよりもiDeCoの運用商品の方が良質な商品が多いです。

60歳から65歳までは加入者として商品購入が可能。

拠出した金額は所得控除の対象となる。

最長75歳まで非課税で運用可能。

〈デメリット〉

移換には1カ月~2カ月ほど係る。

企業型DCからiDeCoに資産を移換する為に、一度資産を売却して現金化しておく必用がある。

移換した資産を再投資する場合は、購入するタイミングによって損が出る可能性がある。

iDeCoの手数料が発生する。


4つめ NISAを利用する

4つめの選択肢は、NISA、積立NISAを利用することです。

iDeCoと同じく非課税での運用が可能となります。

企業型DCから一度退職金として受取り、受取った資金をNISA・積立NISAで運用します。

NISAとiDeCoの大きな差は、iDeCoは60歳まで引き出しができないことでした。

しかし今回のパターンは、60歳を超えているので受取る権利を得ています。

ただし、NISAは年間110万円まで、積立NISAは年間40万円までしか非課税枠はありません。

非課税枠を狙うなら、iDeCoで運用した方が多くの資金を運用できるでしょう。

例えば株やETFで運用したいという方は、iDeCoではできません。

非課税枠分NISAを利用するのはありですね。

まとめ

今の60歳の方々はとてもお若いです。

60歳定年を迎えた後も引き続き働く方も多いです。

ですが企業型DCは60歳定年で制度設計されている会社がほとんど。

60歳になって給料もあるのに急に加入者の権利がなくなった。

これからも働くしまだ年金は受け取らなくていいな。

という声は無視されています。

60歳以降も制度を理解して、しっかり運用して、資産形成していきましょう。

今日はここまで!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA